進行してしまった歯周病の歯は、実はあまり治療法がありません。いづれ抜けてしまう歯を延命させる処置になります。歯周ポケットがあるといわれても自覚症状も少ないし、見た目も問題ないから、一生懸命歯ブラシして、そのままかもしくは考えないというパターンが多いです。来院したとき、『残せないので抜くしかないです』といわれ、抜いてブリッジ、義歯などにしていったと思います。タイムラグというかしばらくしてから、歯肉が下がり、歯が揺れてきます。もうその時には周囲の骨はなくなっています。
一番良い治療法は若いうちに必用であれば矯正治療で歯並びやかみ合わせを完璧にしておくことです。次は初期の段階でも矯正治療や再生療法で骨を作って進行させないことです。でも、こんな患者さんはほとんど来院されません。矯正もできない、入れ歯もしたくない、歯もゆれてるけどもうぬきたくない、何とかしてほしい!このパターンが圧倒的です。延命処置はある程度はできますが、限界があります。どうするのか?延命治療をしている間に先の先の先を決めてほしいのです。歯が抜けたとき、入れ歯にするのか、インプラントにするのか、そのままか。喫煙していたらインプラント治療は無理です。禁煙からです。全身疾患が重症なら、外科処置は無理です。奥歯がなくなったら入れ歯しかありません。どの選択肢を選んでいただいても結構です。自分で最期を決める病気です。現状把握から始めてじっくり決めて行きましょう。